16.04.2017

困難を抱えれば抱えるほど、美味しいご飯を食べれば食べるほど、深まるものがある。
一緒にいるってそういうことだ。
スマホを絶妙な角度で傾けて自分のお皿と向かい合うもうひとつのお皿を奥にぼかして写している私なんて見えてないように、するすると君は割り箸を折る。おいしそうに頬張る。
この先何十年もずっと一緒、鎹もなしに外れない木片なんてあるのかな。なんて私が考えていることも知らないよね。それでいいよ。

ベッドに倒れればたくあんみたいな月がカーテンの隙間から顔を覗かせる。眼鏡もない私の目は、満月か三日月かすらもわからない。でも私は満月が好きだから満月ね。自分に都合のいいものを見るのは人間の性だから。