02.04.2017

早生まれかどうかで体格に差がつく幼稚園児とは違って、中学や高校の1歳差や2歳差なんて本当にたいしたことじゃなかったのに。そこをあえて明確に線を引くことで年下でいることにも年上でいることにもきっと甘えていた。そして今も。

新じゃがと新玉ねぎがおいしい季節。四六時中あの多幸感あふれる甘みを夢見て作業。昔少し関わりのあった人がカルト団体の代表として声を張り上げているらしいと聞いた。

 

細い道を縦になって歩く。少しずつ道が太くなっていって横に並んで歩けるようになる。道幅はどんどん広がって、ふいに前から来た車を避けたりしているうちに道の左右に分かれる。気づいた時には信号を渡らないと向こう岸には渡れなくなってしまう。いるはずの相手の姿を見失ったことさえある。あんな微細な軌道のズレが今はこんなに。

 

年齢なんてとは思えど、私たちは自発的にも偶発的にもそれぞれの道に立つ歳であることは確か。こんな行き場のない切なさを癒しておくれ新じゃがと新玉。今夜はポトフ。